小学校で絵本の読み聞かせボランティアをしています。
9月は4年生の教室でした。
今月迷いに迷って選んだ本は次の2冊。
- ウェン王子とトラ 作・絵 チェン・ジャンホン 訳 平岡 敦 〈徳間書店〉
- あさになったのでまどをあけますよ 作 荒井 良二 〈偕成社〉
ウェン王子とトラ
この本を選んだのはなんといっても絵の迫力がすごいんです!
描かれている絵は色のついたな水墨画のようであり、大胆に描かれているトラや人の表情は心に迫ってくるものがあります。
お話の舞台は昔の中国。
人間に子供を殺された母虎が人間を憎み、人を襲うようになりました。
王様はこの母虎を殺そうと考えましたが、占いではまだ幼い王子を母虎に差し出すのが良い、と出ます。
王様とお妃は胸が張り裂ける思いで王子を母虎の元へとやります。
母虎は自分の子供と王子と重ね、幼い王子を殺せません。
自分の子供にしたようにそっとくわえてやるとスッと怒りが消えていきます。
虎は王子の世話をし、数年の日々が過ぎました。
一方、王様とお妃様は王子を心配し、悲しい日々を過ごしていましたがついに耐えきれなくなって王子を取り戻しに兵を引き連れて森へ向かいます。
森に火を放たれ追い詰められて行く母虎。
絶体絶命の母虎を王子が守ろうとしたとき、兵をかき分けてお后が王子の元へ駆け寄ります。
そして・・・。
母虎の憎しみと悲しみが王子に愛情を注ぐことで癒されていく様子や母虎の涙に心を揺さぶられます。
ストーリーもこの先どうなるんだろう?とハラハラするので教室では子供たちはみんな真剣な表情で聞いてくれました。
本当に名作です。
ゆっくり読んで10分くらい。
もう1冊は
あさになったのでまどをあけますよ
本屋さん大賞を受賞したこの絵本は2011年の出版です。
作者の荒井良二さんがどうしてもこの年に、と出版した本です。
内容は美しい景色と共に「あさになったのでまどをあけますよ」と子供がカーテンを開けていきます。
様々な美しい景色にここはどこの国だろう?と思ってしまいます。
そしてカーテンを開け、子供たちは言います。
「やっぱり僕はここが好き。」
これのほぼ繰り返しなのですが、私はカーテンを開け、また1日がやってくるという明るい希望が感じられるのと、それぞれみんなの日常が愛おしく感じられて大好きな1冊です。
3〜4分程度で読み終わるので時間調整も兼ねて読んだのですが何か感じてくれていたら嬉しいな☺️
最後に今回娘がクラスで読むのにこれがいい!といったのは「ぞうのたまごのたまごやき」
寺村輝夫さんの王様シリーズです。
こちらもとっても楽しく4年生にはちょうどいいんですが、何しろ字が多い!(母は疲れる)
読んでみるとほぼ15分。
早口で読んでもこの面白さが減ってしまうし、時間内に読み終える自信がなかったのでやめました。
でも楽しい絵本なのでおうちの親子の時間でぜひ読んであげてほしいと思います😊
最後まで読んでいただきありがとうございました⭐️