「モチモチの木」はこんな絵本
- 作 斎藤隆介 絵 滝平二郎
- 岩崎書店発行
- 小学生 国語の教科書に採用
「モチモチの木」は主人公の豆太が自分の小屋の前の大きな栃ノ木につけた名前です。
豆太は5つになるの怖くて夜、1人でおしっこをしに行けません。
夜、おしっこをしたいときは必ずじさまを起こしてついてきてもらいます。
死んでしまった豆太のおとうはキモ助だったし、じさまも岩から岩への飛び移りも平気でやってのけるのに豆太は臆病者。
昼間は「モチモチの木」に「ヤイ木ィ、モチモチの木ィ!実ィオトセェ!」なんて威張っても夜になると大きなお化けのようで見るのも怖い。
自分でも自分が臆病な性格なことをわかっている豆太。
勇気のある子供だけが見ることができると言われているキラキラひかる木を見たいけどきっと臆病な自分は無理だろうな・・。
そんなふうに思っています。
ある晩、じさまが苦しそうにうめきはじめました。
びっくりする豆太。
「いしゃさまを呼ばなくっちゃ!!」
豆太は暗い夜の中、1人でお医者を呼びに飛び出します。
その夜、満月の明かりと雪の輝きで豆太がみたモチモチの木は灯りが灯ったように見えました。
じさまは豆太がちゃんと勇気を出せる子供だからその木を見れたんだと言います。
翌日、元気になったじさまにまた夜、おしっこについてきてもらうというクスッと微笑ましい文でお話は終わります。
はじめにこの本を見かけたとき有名ラーメン店の「もちもちの木」!?とおバカな勘違いで気になり開いてみました。
物語と絵の色使い、コントラスト。やさしい物語と、挿絵がピッタリあっていてとても素敵な絵本ですぐに手元に置いておきたいと思いました。
切り絵の美しさもとても素晴らしいです。
ただ、難点は読んでいると泣いてしまうところ💦
子供に読み聞かせた時も泣いてしまい、きちんと読めませんでした。
作家の斎藤先生の言葉を借りれば「ションベンたれのおくびょう豆太」がじさまの危機の時に勇気を振り絞ってたった1人で暗い冬の山道を裸足でお医者さまを呼びにかけ出した時、読みながら涙が溢れてきました。
次の日、元気になったじさまが豆太に言った「じぶんで じぶんを よわむしだなんて おもうな。 にんげん、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっと やるもんだ。」という言葉も心に沁みます。
きっと誰もが豆太のような臆病な部分があって気持ちを重ねてしまうのでしょう。
だからこそこの絵本はずっと愛され続けているんだと思います。
小学校3先生の娘の国語の教科書に載っている、とても素晴らしい絵本です。
気になった方はぜひ読んで見てくださいね。
⭐︎追加情報⭐︎
いつまでも色褪せないあたたかい滝平二郎さんの作品が2024年3月15日〜6月9日まで横浜美術館で見れます!
(18歳以下は無料とのことですがその他の方々はチケットを会場窓口、もしくはオンラインで購入可能となっています。公式ページでご確認ください。)
私も行ったことがありませんが横浜の街全体で大きく行われる芸術祭のようです。
面白そうですよね。気になったら足を運んでみてくださいね😊